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記事 · オーバーホール 2026-08-26

機械式時計のオーバーホールとは何か

分解から組み立てまで、工房で実際に行う5つの工程を解説します

新井 蓮代表時計師
懐中時計と時計

「オーバーホールに出した方がいいと言われたけれど、何をするのかよくわからない」という声をよく聞きます。Time Crest では、お預かりの際に必ず工程をご説明していますが、ここで改めて文章にまとめておきます。機械式時計のオーバーホールは、大きく分けて5つの工程から成ります。

1. 分解

ムーブメントをケースから取り出し、部品を一つひとつ外していきます。3針の標準的なムーブメントでも、部品数は100〜150点ほどになります。分解しながら各部品の状態を確認し、摩耗や破損がないかを記録します。

この段階で、修理が必要な部品や交換が必要なパーツが明らかになります。見積もりに含まれていなかった追加作業が発生する場合は、この時点でご連絡します。

2. 洗浄

分解した部品を超音波洗浄機にかけ、古い油脂や汚れを落とします。Time Crest では、部品の素材に合わせた洗浄液を使い、デリケートな部品は手洗いで対応します。洗浄後は十分に乾燥させてから次の工程に進みます。

3. 注油と組み立て

乾燥した部品に、部位ごとに適切な油脂を塗布しながら組み立てていきます。アンクルやガンギ車の周辺には粘度の低い油、自動巻き機構には粘度の高いグリスを使います。油の量も重要で、多すぎても少なすぎても動作に影響します。

組み立ては分解の逆順で行いますが、単純な逆作業ではありません。各部品が正しい位置に収まっているかを確認しながら進めます。

4. 歩度調整

組み立てが完了したら、歩度計(タイムグラファー)を使って時計の精度を測定します。1日あたりの誤差が規定の範囲内に収まるよう、テンプの調整を行います。文字板・針を取り付けてケースに収めた後も、最終的な動作確認を行います。

オーバーホールの頻度については、使用環境や時計の状態によって異なります。気になることがあれば、まずご相談ください。

#オーバーホール#機械式時計#修理の基礎

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