秋冬の時計の保管と手入れ、気をつけたいこと

10月に入ると、工房への持ち込みが増えます。夏の間は問題なく動いていた時計が、気温の変化とともに不調を訴えるケースが毎年あります。秋冬の時計の扱い方について、気をつけていただきたい点をまとめました。
気温の変化がパッキンに与える影響
防水時計のパッキンはゴム製で、気温の変化によって収縮・膨張を繰り返します。夏から秋にかけての急激な温度変化は、パッキンの劣化を早める原因のひとつです。特に、夏に海や川で使用した時計は、秋に防水性を確認することをお勧めします。
機械式時計と低温の関係
機械式時計の油脂は、低温になると粘度が上がります。極端に寒い環境(スキー場など)では、動作が遅くなったり止まったりすることがあります。これは油脂の特性によるもので、温度が戻れば正常に動くことがほとんどです。ただし、油脂が劣化している場合は低温での影響がより大きくなります。
秋冬に時計の精度が落ちたと感じたら、まず油脂の状態を確認するためにオーバーホールを検討してください。
保管場所の選び方
使用しない時計は、直射日光と湿気を避けた場所に保管してください。暖房器具の近くは乾燥しすぎてパッキンの劣化を早めます。自動巻き時計を長期間使用しない場合は、ゼンマイを巻いた状態で保管するよりも、完全に止めた状態の方が部品への負担が少ないとされています。
秋は時計の状態を見直すよい機会です。気になることがあれば、お問い合わせはこちらからどうぞ。